3次元複素射影空間

数学辞典第4版の1706ページのIXの表を見るとCP3R8にはめ込めるかどうかが分かっていないことになっているが、これははめ込めないことが示されているようである。「(∗): CP3R8にはめ込めないこと」がどこで初めて示されたのかよく分からないが、重要そうな文献は

  1. Sigrist, François; Suter, Ueli: On immersions CP3R4n-2α(n). Algebraic topology (Proc. Conf., Univ. British Columbia, Vancouver, B.C., 1977), pp. 106--115, Lecture Notes in Math., 673, Springer, Berlin, 1978.
  2. Crabb, M. C.: Immersing projective spaces in Euclidean space. Proc. Roy. Soc. Edinburgh Sect. A 117 (1991), no. 1-2, 155--170.
  3. Davis, Donald M.: Some new immersion results for complex projective space. Proc. Edinb. Math. Soc. (2) 51 (2008), no. 1, 45--56. ; arXiv:math/0602472

[i]のMath Reviewsには(∗)が事実として書かれているが、文献は示されていない。[iii]のTable 1.9によれば(∗)は[i]で示されていることになっているが、[i]の論文の中にはそのようなことは示されていないと思う。[ii]のProposition 3.5に証明がある。また[iii]によれば[ii]には間違いがあるようだが、Proposition 3.5の証明には関係ないと思う。

ちなみに数学辞典第4版の1706ページのIXの表はかなりobsoleteなようで、少なくとも[iii]のTable 1.9によれば例えばCP5R16にはめ込めない。